防水工事でよくあるトラブル紹介

建物を健全な状態に保つために必要な防水工事ですが、予期しないトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
ここでは、防水工事によくあるトラブル事例をご紹介します。
1.工事中の匂いや騒音等のトラブル
防水工事の施工方法や材料等によりますが、「塗装の匂いが思ったよりきつい」、「工事における機械工具からの騒音で眠れない」等、近隣住人からのクレームが発生することがあります。
塗装につきまとう有機溶剤のシンナーは、吸引すると健康被害を引き起こすこともありますので注意しなくてはなりません。
匂いや騒音の発生は、工事上、致し方ない点もあります。しかし、クレームを少しでも和らげるためには、事前に施主と工事業者が近隣住人に挨拶回りと匂いと騒音についての内容を説明しておくことが重要となります。
くれぐれも迷惑をおかけすることについてのお詫びの姿勢を忘れないようにすることが大切です。

2.手抜き工事等のトラブル
ウレタン防水の手抜き工事
ウレタン防水においては、通常は塗膜防水層の厚みを2ミリ以上にするため2~3回程度重ね塗りをしなくてはなりません。しかし、重ね塗りの手間を惜しんだ手抜き工事では、防水層の厚みが足りない為に劣化が早く進行し、塗料が割れて雨漏りすることがあります。

シート防水の手抜き工事①
シート防水においては、シート接合の際にシーリング材を挿入する必要があります。この工程を省いた手抜き工事では、シート接合部や端末部に隙間ができ、雨漏りすることがあります。

シート防水の手抜き工事②
テレビニュースで、高層マンション屋上の防水シートが台風で大きく剥がれて地上に落下した映像をご覧になったことはないでしょうか。このケースでは、防水シートを張る際における清掃等の下地処理を省いた手抜き工事が疑われます。
きちんと下地処理をしないで接着剤を塗布した場合、下地と防水シートが密着せず、シートの伸縮により変形し破れてしまいます。その結果、そこから風が吹き込み、防水シートが剥がれてしまうのです。

3.トラブルを未然に防ぐために
折角、時間と費用をかけて防水工事を施したのに、それが原因で新たな雨漏りやトラブルが発生してしまっては本末転倒です。
下記に、トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントを記載しますので、ご参考いただければと思います。

チェックポイント
1)雨漏りの原因を的確につかむこと
2)雨漏り原因を見つけ出し、そのための解決工事を遂行できる防水工事会社を選ぶこと
3)手抜きやミスをやらない誠実な防水工事会社を選ぶこと
4)見積書で工事内容(プロセスと仕上がり点検等)が適切かどうかチェックしておくこと
5)工事完了後、仕上がりが適切かどうか自ら確認すること
6)問題点があれば、修正工事をしっかりお願いすること

2018.09.12
漏水問題の個別相談を中心とした無料セミナーレポート
(2018.07.19開催レポート)

2018年7月19日に「漏水問題の個別相談を中心とした無料セミナー」を開催いたしました。
講師に九帆堂法律事務所 代表 久保原和也氏とカスター・ピーエヌ・ジャパン株式会社 代表取締役の尾崎晴彦氏を迎え、55名の方が受講されました。
第一部と第二部、第三部と分れており、第一部では漏水事故における最近の裁判例及び漏水トラブルにおける対応策と予防策について法律面から解説をいただきました。
第二部では漏水原因と補修法、大規模修繕における漏水予防法、25年間防水保証の屋上防水についてなどをご説明いただいました。
第三部では「防水についての個別相談会」を約1時間開催し、10名の方が、参加されました。