アパートのベランダ・バルコニーの劣化症状とメンテナンス方法
ベランダやバルコニーは、アパートにおける住環境の一部であると同時に、建物の外部からのダメージを受けやすい箇所でもあります。日々の紫外線や風雨にさらされることで、防水層や排水機能が少しずつ劣化し、やがては雨漏りや構造へのダメージにつながることも。特に築年数が経過した物件では、目に見えない劣化が静かに進行しているケースも少なくありません。
1. 主な劣化症状
・症状:床面に細かなひび(ヘアクラック)や大きな割れが発生。
・原因:紫外線、雨水、温度差による収縮・膨張、経年劣化。
・症状:防水層の膨れ
・原因:防水層内側の水分が熱気で水蒸気となり防水層を膨れさせるため。
・症状:触ると白い粉が手につく(チョーキング現象)。
・原因:紫外線等による樹脂の劣化。
・症状:水たまりができる。排水できず雨漏りの原因に。
・原因:枯葉やゴミ、泥の蓄積による排水機能低下。
・症状:手すりのぐらつき、鉄部のサビ、隙間からの雨水侵入。
・原因:金属部分の防錆処理の劣化や接合部の破損。
2. メンテナンス方法
・ベランダ・バルコニーは定期的に掃除をし、排水口のゴミを取り除く。
・表面にひび割れや浮きがないか、目視点検をする。
・小さなひび割れなら防水補修材(コーキング材や専用塗料)を使ったDIY修理で済む可能性も有。
・膨れや大きなひびの場合は、専門業者による再防水施工が必要。
・ウレタン防水やFRP防水の場合、5~7年ごとにトップコート(保護塗膜)を再塗装。
・これにより防水層の紫外線劣化を防ぎ、寿命を延ばせる。
・排水溝は月1回程度、つまりがないか点検。
・定期的に高圧洗浄などで清掃するのが理想。
・錆びた手すりはケレン作業(サビ落とし)+防錆塗装を実施。
・隙間や防水不良箇所は、コーキング補修または部材交換。
3. メンテナンス周期の目安
◆排水口清掃:毎月
◆表面のひび割れ点検:年1回
◆トップコート再塗装:5~7年
◆防水層の全面改修:10~15年
4. その他の注意点
◆早期の小規模メンテナンスなら数万円以内で済むことが多いですが、雨漏りや構造躯体への影響が出ると数十万円~百万円以上の大規模修繕が必要になることもあります。
◆特に管理会社や専門業者による定期点検を活用すると、トラブルを未然に防ぎやすくなります。