防水工事の種類と流れ② <シート防水工事>

1. 防水工事種別による手抜き工事危険度
前回のコラム(防水工事の種類と流れ①)では防水工事における手抜き工事のリスクについて触れましたが、今回は工事種別による手抜き工事危険度を紹介します。マンションやビルオーナー様は、このリスクを知っておくと共に工事の流れを把握し、手抜き工事をしない、優良な事業者選びに役立てていただければと思います。
<防水工事種類別手抜き工事危険度>
防水工事の種類 工事の特徴 手抜き危険度 手抜き工事の
チェックポイント
ウレタン防水 安価で施工する
場所を選ばない
2層目の中塗り工程が行われているか
FRP防水 強靭かつ
施工期間が短い
やや高 2層目の中塗り工程が行われているか
シート防水 費用対効果が高い 普通 シートの繫ぎ目の接着はどうか
アスファルト防水 高い防水性能 バーナーの炙り不足はないか
また、今回はシート防水工事について解説します。
2. シート防水工事の種類と流れ
塩化ビニルシートやゴムシートを下地に貼り付ける工法です。優れた耐久性があり、メンテナンスの頻度はウレタン防水より少なくなります。なお、シート防水には、密着工法、機械固定工法の2つの工法があります。

①密着工法
→接着剤などで塩ビシートを貼り付ける工法。

②機械式固定法
→ディスク板を使って塩ビシートを下地に固定する工法。

(1)密着工法の流れ

①高圧洗浄…高圧の水で表面の汚れを取り除きます。
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②清掃…表面に残ったゴミや不要な防水層などを掃除します。
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③ひび割れなどの補修…ひび割れクラックを補修すると共に凹凸を平にします。
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④ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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⑤プライマーの塗布…下地と防水材を密着させるためにプライマー(接着剤)を塗ります。
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⑥パラペットのウレタン防水…パラペット(屋上やバルコニー等の外周部に設置された低い手すりのような部位)の防水施工を行います。
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⑦ウレタン塗膜の下塗り…1層目のウレタン塗膜を塗布します。
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⑧ウレタン塗膜の中塗り…2層目のウレタン塗膜を塗布します。
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⑨トップコート塗布…ウレタン塗膜の劣化を防ぐための保護塗料を塗布します。
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⑩密着工法完了…作業は全体を通して3日~5日で完了します。

(2)機械式固定法の流れ

①下地処理&強度確認…凹凸を平にして下地の強度を確認します。
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②絶縁シートを敷く…しわのないようにシートを敷き詰めます。
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③固定金具の取り付け…固定金具を取り付けます。
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④ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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⑤シートの貼り付け…固定金具に熱溶着または溶剤溶着します。
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⑥シートの接合…接合部を熱溶着または溶剤溶着します。
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⑦接合末端部のシール…シール材を用いてすべての接合部分をシールします。
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⑧脱気筒の設置…下地に含んだ水分を脱気筒から外に排出します。
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⑨パラペットにシート貼り付け…パラペットのシート貼り付けを行います。
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⑩密着工法完了…作業は全体を通して5日~7日で完了します。