マンションにおける漏水被害の実例と、その教訓

マンションにおける漏水被害の実例と、その教訓

 漏水は賃貸マンションや分譲マンションで起こり得るトラブルであり、壁や床の劣化だけでなく、隣接する部屋や下階の住人にまで被害を及ぼすことが多い問題です。修理費用も高く、対応に時間もかかるため早期発見や予防策が欠かせません。

実例1:浴室排水管の劣化による漏水

 ある賃貸マンションで、入居者が気付かない間に浴室の排水管から漏水が発生し、下階の住居天井にシミが発生。住人のクレームにより発覚しました。

◆原因:
 古いマンションで排水管が老朽化しており、日常的なメンテナンスが不足していた。

◆教訓:
 排水管の定期点検を怠らないことが大切。築年数が経過しているマンションは、配管のメンテナンススケジュールを計画し、老朽化に応じた予防保全を行う必要があります。

実例2:冬場の凍結による給水管の破裂

 冬季、寒冷地のマンションで給水管が凍結し破裂。入居者が帰宅した際には床一面が水浸しになり、隣接する部屋にも浸水被害が発生しました。

◆原因:
 給水管が外壁近くに設置されており、寒冷対策が不十分だった。

◆教訓:
 特に寒冷地では、外壁付近の給水管に断熱材を使用するなど、寒さ対策が必要です。また、寒冷対策のアナウンスを入居者にも行い、長期外出時には水を少量流しておくなどの協力を求めることが有効です。

実例3:給湯器の老朽化による水漏れ事故

 築20年以上のマンションで給湯器が老朽化し、突然水漏れを起こしました。水漏れに気づかずに放置されたことで床材が水を吸収し、修復が必要になりました。

◆原因:
 定期的な点検が実施されておらず、給湯器の寿命が来ていたが交換されていなかった。

◆教訓:
 古い設備には定期点検と交換の計画が必要です。特に、給湯器などの設備は耐用年数を超えると急に劣化するリスクが高まるため、早めの交換を検討しましょう。

実例4:共有部分の雨漏りとその対応遅れ

 マンションの屋上防水が劣化しており、大雨の際に上階の廊下部分に雨漏りが発生。早急な対策を講じずにいたことで、やがて水が浸透し、住居部分にも影響が出始めました。

◆原因:
 防水工事の周期的なメンテナンスを怠り、初期対応が遅れた。

◆教訓:
 雨漏りは早期発見と修繕が必須です。特に屋上や外壁の防水処理は周期的に見直し、劣化が見られた場合には早急に対処する必要があります。

まとめ:漏水予防と被害軽減のためにできること

 漏水被害は、物件全体の劣化防止や快適な住環境を維持するために重要な課題です。しかし日常的な点検とメンテナンス計画の作成を実施することで、漏水リスクを最小限に抑えることができます。また、管理会社や入居者への情報提供と協力体制を築くことも、漏水の早期発見に役立ちます。