入居者ができる漏水防止対策とは?オーナーが伝えるべき注意点

防水工事がマンションの資産価値を守る理由

 賃貸住宅の漏水防止対策はオーナーや管理会社が行うものと思われがちですが、入居者のちょっとした心がけ次第でも、雨漏りや水漏れのリスクを減らすことができます。特にベランダ・バルコニー、窓まわり、室内の水回りは、入居者の使い方によって劣化進行状況が変わるため、適切な注意喚起が有効です。ここでは入居者ができる漏水防止対策と、オーナーが伝えるべき点について解説します。

1. ベランダ・バルコニーの漏水防止対策

◆ベランダの排水口を定期的に掃除する

【ポイント】
・ベランダに落ち葉やゴミが溜まると、排水口(ドレン)が詰まり、水があふれてしまう
・放置すると水が逆流し、室内への浸水や階下への漏水につながる

【施策】
・月に1回は排水口のゴミを取り除く
・落ち葉や土が溜まりやすい場合は、排水口にカバーを設置する(詰まりを防ぐ)

◆ベランダに水が溜まる物を置かない

【ポイント】
・すのこや植木鉢の受け皿、古い家具などを置くと、湿気がこもりやすく防水層が劣化しやすい
・風で飛ばされると、排水口を塞いだり、雨水の流れを妨げる

【施策】
・なるべくベランダに物を置かないようにする
・置く場合は、定期的に位置を変えて掃除をする

◆大雨・台風の前にベランダの確認を

【ポイント】
・ベランダに水が溜まっていると、強風と一緒に雨水が室内に吹き込むことがある
・雨どいの詰まりが原因で階下の部屋に雨漏り被害を与える可能性も

【施策】
・大雨や台風前には、排水口やベランダの水はけをチェック
・強風で飛ばされる可能性があるものは、事前に屋内にしまう

2. 窓・サッシまわりの漏水防止対策

◆窓をしっかり閉める(雨の日の換気時に注意)

【ポイント】
・窓の雨仕舞が甘いと、隙間から雨水が吹き込むことがある
・入居者が窓を少し開けたままにしてしまい、雨水が侵入するケースが多い

【施策】
・強風や大雨のときは、窓をしっかり閉めるよう伝える
・窓のパッキンが劣化していたら、早めに報告するよう促す

3. 室内の水回りの漏水防止対策

◆排水口のつまりを防ぐ(キッチン・浴室・洗面所)

【ポイント】
・油や食べカス、髪の毛が詰まると、水が溢れて階下への水漏れにつながる
・長期間放置すると、配管の破損や詰まりによる逆流が発生

【施策】
・シンクの排水口にはゴミ受けネットを設置する
・髪の毛キャッチャーを使い、定期的に掃除する
・油はそのまま流さず、固める or 吸わせて処分する

4. オーナーが入居者に伝えるべき点

◆入居時のガイドラインに漏水防止の注意点を明記する

・ベランダの掃除、排水口の管理、窓の閉め忘れ防止、水回りの注意点などをまとめる

◆防水設備のトラブル事例を伝えて、意識を高める

・過去の雨漏り・水漏れ事例を共有すると、入居者も注意するようになる

◆退去時の原状回復費用について明確に説明する

・ベランダの放置や水漏れによるダメージは、場合によっては入居者負担になることを伝える

◆定期的に入居者向けのお知らせを配布する

・季節ごと(梅雨・台風・冬の凍結対策など)に注意喚起のチラシやLINE通知を送る

5. まとめ

✔ ベランダ・バルコニーの排水口掃除が重要。
✔ 窓やサッシの隙間からの雨漏りを防ぐため、こまめなチェックを推奨
✔ キッチンや浴室の排水口を清潔に保ち、詰まりを防ぐ
✔ 水漏れを見つけたら、早めにオーナーや管理会社に報告するよう伝える