防水工事の種類と流れ④ <アスファルト防水>

防水工事の種類と流れ④ <アスファルト防水>

1.アスファルト防水とは
アスファルト防水は、昔から行われている工事方法であり、高い信頼性があります。工事内容としては、溶かした液状のアスファルトとアスファルトシートを組み合わせて防水層を作るというものになります。
2.アスファルト防水のメリット
①火災の可能性がある
②臭気がする場合がある
③工事の難易度が高い(特にしっかりとした業者に任せなければならない)
3.アスファルト防水の工法
工法には次の3種類があります。

①熱工法
②トーチ工法
③冷工法

4.熱工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にアスファルトルーフィングシート(板紙にアスファルトを浸み込ませた防水シート)を貼り付けます。
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⑥アスファルトルーフィングシート貼り付け…アスファルトルーフィングシートに溶融したアスファルトを流しながら貼り付けます。
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⑦アスファルト塗り…溶融したアスファルトをシートに塗ります。
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⑧熱工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して8日~12日で完了します。
5.トーチ工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にシートを貼り付けます。
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⑥アスファルトシート貼り付け…トーチバーナーでシート裏面と下地をあぶり、アスファルトを溶解させ張り合わせます。
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⑦トップコート塗布…紫外線や雨風から守るためにトップコートを塗ります。
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⑧トーチ工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して8日~12日で完了します。
6.常温工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にシートを貼り付けます。
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⑥アスファルトシート貼り付け…改質アスファルトシートを下地に貼り付けます。
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⑦繋ぎ目にシール…シートの貼り合わせ部分をシール材で充填します。
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⑧トップコート塗布…紫外線や雨風から守るためにトップコートを塗ります。
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⑧常温工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して5日~7日で完了します。

防水工事の種類と流れ③<FRP防水>

1.FRP防水とは
FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。そして、FRP防水とは、木やコンクリートで作られた床の上にFRPのシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させる方法のことをいいます。
2.FRP防水のメリット
①高い水密性(防水性)がある
②固い仕上がりになるため、耐荷重性・耐摩擦性に優れている
③非常に軽量である
④工期が短い
3.FRP防水のデメリット
①費用がやや高い
②施工場所に制限がある(木造かつ10㎡以上の床面には施工できない)
4.FRP防水の流れ

①高圧洗浄…高圧の水で表面の汚れを取り除きます。
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②ケレン・清掃…下地に残った塗膜などを削り落としていきます。
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③下地処理…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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⑤プライマーの塗布…下地とFRP防水材を密着させるためにプライマー(接着剤)を塗ります。
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⑥ガラスマット貼りと樹脂の塗布…ガラスマットを貼り付けてFRP樹脂を塗布し密着させます。
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⑦中塗り…余分なFRPガラスマットを削り落として中塗りをします。
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⑦トップコート塗布…保護塗料を塗布します。
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⑧FRP防水完了…作業は全体を通して2日~3日で完了します。