屋上防水を長持ちさせるためのポイント

屋上防水を長持ちさせるためのポイント

屋上防水を長持ちさせるためには、次のポイントがあります
ポイント①:定期的にルーフドレンの点検を行う
ポイント②:変色したらトップコートを塗り替える
ポイント③:膨れやひび割れはしっかりと補修する
ポイント④:シートの破れやめくれに対応する
ポイント①:定期的にルーフドレンの点検を行う
「ルーフドレン」とは、屋上やベランダなどに設置された雨水の排出やゴミを集めるための金物です。ルーフドレンにゴミが蓄積すると排水不良を起こして常に水がたまった状態になり、ルーフドレンの錆が進行してしまい、劣化します。結果、ルーフドレンと防水層のジョイント部分も劣化し隙間ができ、そこから雨水が侵入してしまうのです。したがって、1年に1回位はルーフドレンの点検を行い、雨水や泥がたまっていないか確認することが大切です。
ポイント②:変色したらトップコートを塗り替える
「トップコート」とは外壁や屋根、ベランダなどを守る塗膜を指します。このトップコートに変色がある場合は、劣化が進んでいる状態であると考えられ、トップコートの塗り替え時期と言えます。目安としては、5年に一度の塗り替えが良いとされています。なお、ウレタン防水の場合は特に紫外線による劣化が進みやすいため、定期的な確認が必用になります。
ポイント③:防水層の膨れやひび割れはしっかりと補修する
「防水層」とは、屋上 や ベランダ ・ バルコニー などである程度の厚みを有して雨水を防ぐ膜のことを指します。こちらに膨れやひび割れが発生している場合は、劣化が進行している可能性が高くなります。なお、防水層の膨れが大きくなると亀裂や穴開きが生じやすくなってしまうため、補修の検討が必用になってきます。
ポイント④:防水シートの破れやめくれに対応する
ゴムシートや塩ビシートといった「防水シート」の破れや接合部・端部のめくれを発見した場合は、すでに雨水が侵入している可能性が高いため早急に補修する必要があります。そのまま放っておくと雨水が建物内に侵入し、鉄部の錆やコンクリートの爆裂などを発生させてしまうことにつながります。

防水工事の種類と流れ④ <アスファルト防水>

防水工事の種類と流れ④ <アスファルト防水>

1.アスファルト防水とは
アスファルト防水は、昔から行われている工事方法であり、高い信頼性があります。工事内容としては、溶かした液状のアスファルトとアスファルトシートを組み合わせて防水層を作るというものになります。
2.アスファルト防水のメリット
①火災の可能性がある
②臭気がする場合がある
③工事の難易度が高い(特にしっかりとした業者に任せなければならない)
3.アスファルト防水の工法
工法には次の3種類があります。

①熱工法
②トーチ工法
③冷工法

4.熱工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にアスファルトルーフィングシート(板紙にアスファルトを浸み込ませた防水シート)を貼り付けます。
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⑥アスファルトルーフィングシート貼り付け…アスファルトルーフィングシートに溶融したアスファルトを流しながら貼り付けます。
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⑦アスファルト塗り…溶融したアスファルトをシートに塗ります。
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⑧熱工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して8日~12日で完了します。
5.トーチ工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にシートを貼り付けます。
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⑥アスファルトシート貼り付け…トーチバーナーでシート裏面と下地をあぶり、アスファルトを溶解させ張り合わせます。
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⑦トップコート塗布…紫外線や雨風から守るためにトップコートを塗ります。
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⑧トーチ工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して8日~12日で完了します。
6.常温工法の流れ
①下地清掃…下地の汚れを取り除きます。
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②下地処理・改修用ドレン設置…下地を調整し、雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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③ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④プライマーの塗布…プライマー(接着剤)を塗ります。
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⑤パラペット(屋根の外周部に立ち上がった壁)にシートの貼り付け…パラペット立ち上がり部にシートを貼り付けます。
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⑥アスファルトシート貼り付け…改質アスファルトシートを下地に貼り付けます。
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⑦繋ぎ目にシール…シートの貼り合わせ部分をシール材で充填します。
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⑧トップコート塗布…紫外線や雨風から守るためにトップコートを塗ります。
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⑧常温工法によるアスファルト防水完了…作業は全体を通して5日~7日で完了します。

防水セミナー&最新防水材・工法のご紹介 開催報告

※当セミナーは定員分満員での開催となりました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

1.開催概要

【セミナーURL】
https://bousui-association.jp/seminar20220913/

【テーマ】
防水セミナー&最新防水材・工法のご紹介

【日時】
2022年9月13日(火) 13:30~

【会場】
アットビジネスセンタ-渋谷 東口駅前
東京都渋谷区渋谷2-22-8名取ビル5F (渋谷駅前 ・ヒカリエ側1分)

【主催】
一般社団法人日本防水協会

【後援】
公益社団法人東京共同住宅協会/一般社団法人日本給排水設備協会

【定員】
セミナー:60名(予約制、1社2名まで)・個別相談会:6組(予約制)

2.セミナー風景

第1部 経済・マーケット編 13:30~14:00
『コロナ・ウクライナ情勢とインフレ・円安などによる資材物価と不動産の動き』

【講師】
公益社団法人東京共同住宅協会 研究室長 ㈱パワーコンサルティング 谷崎憲一氏
㈱パワーコンサルティング:https://www.powercon.jp/

→次々と値上げされている建築資材や世界経済・日本経済の行方と懸念される悪性インフレの構造について紹介されました。


第2部 技術編① 14:00~14:50
『最新の防水・止水材および工法の紹介(各25分)』

(1)超速硬化で工期の大幅な短縮が可能なポリウレア防水材「アクアハジクン」のご紹介
【講師】
日本防水協会会員 ㈱日本アクア 防水事業部 サブマネージャー 飯田雅人氏
㈱日本アクア:https://www.n-aqua.jp/

→「アクアハジクン」の施工内容や施工事例、その特長について紹介されました。

(2)コンクリートの補修効果を可視化!「弾性波非破壊検査」のご紹介
【講師】
日本防水協会会員 ㈱山陽工業 IPH工法推進室室長 山田哲矢氏
㈱山陽工業:https://www.sanyo-gr.co.jp/

→コンクリートの補修効果を可視化する弾性派非破壊検査「トモグラフイ」について紹介されました。


第3部 技術編② 15:00~15:55
『雨漏り・漏水の原因を事例と各種止水・防水材のご紹介』

(3)なぜ雨漏り・漏水が起こるのか、原因を理論的にわかりやすく事例で解説&25年保証付き屋上防水シートPOLYFIN,ほかドイツ製防水・止水材ご紹介(30分)
【講師】
日本防水協会技術委員 カスター・ピーエヌ・ジャパン㈱ 代表 尾崎晴彦氏
カスター・ピーエヌ・ジャパン㈱: https://koster-japan.com/

→RC建物の漏水の原因と対処法に加え、大規模修繕における漏水予防法について紹介されました。

(4)防水・塗装業界で今最も注目されている、断熱セラミックGAINAのご紹介(25分)
【講師】
日本防水協会会員 ㈱日進産業 取締役総務部長 望月正和氏
㈱日進産業: http://www.nisshin-sangyou.co.jp/

→JAXAでも活用されている断熱技術「GAINA」の住居に対する活用方法について紹介されました。


第4部 16:00~16:40
『個別相談会』 セミナー終了後 個別相談会開催(完全予約制 先着6組まで)


3.ご参加者アンケートについて

(1)ご参加者様の属性

(2)今後受けたいセミナーテーマ

・施工単価と施工性能
・防水原因の発見の仕方と基本的ノウハウ
・建物管理に関する最新トレンド
・最新防水材や工法
・マンション改修工事の事例
・工事を行った際の具体的例及び費用
・大規模修繕時の改修法と材料
・厨房漏水など内部的な漏水について

 

防水工事の種類と流れ③<FRP防水>

1.FRP防水とは
FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。そして、FRP防水とは、木やコンクリートで作られた床の上にFRPのシートを敷き、その上に樹脂を塗って硬化させる方法のことをいいます。
2.FRP防水のメリット
①高い水密性(防水性)がある
②固い仕上がりになるため、耐荷重性・耐摩擦性に優れている
③非常に軽量である
④工期が短い
3.FRP防水のデメリット
①費用がやや高い
②施工場所に制限がある(木造かつ10㎡以上の床面には施工できない)
4.FRP防水の流れ

①高圧洗浄…高圧の水で表面の汚れを取り除きます。
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②ケレン・清掃…下地に残った塗膜などを削り落としていきます。
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③下地処理…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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④ドレンの設置…雨水を流すためのドレン(排水溝)を設置します。
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⑤プライマーの塗布…下地とFRP防水材を密着させるためにプライマー(接着剤)を塗ります。
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⑥ガラスマット貼りと樹脂の塗布…ガラスマットを貼り付けてFRP樹脂を塗布し密着させます。
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⑦中塗り…余分なFRPガラスマットを削り落として中塗りをします。
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⑦トップコート塗布…保護塗料を塗布します。
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⑧FRP防水完了…作業は全体を通して2日~3日で完了します。